
皆様、アルミ合金製可搬式作業台(以下、可搬式作業台)をご存じでしょうか?
可搬式作業台とは、4本足の作業台のことで、脚立よりも大きな天板を持ち、天板に乗って作業する際に使用されるものです。
この可搬式作業台を用いられた研究が、2024年12月5日(木)、6日(金)の2日間に渡り、富山国際会議場にて開催された「第57回安全工学研究発表会」で、ジー・オー・ピー株式会社の清水尚憲様により
”建設業を対象とした仮設機材の安全性・安心感に関する一考察” というテーマで発表されました。
今回は、建築現場の屋内作業で使用される可搬式作業台「SG ペガ 500L」と、その改良版
「SG ペガ直角 500L」を使用して行われた実験について、お話を伺いました。


実験で使用された、各アルミ合金製可搬式作業台

今日は、可搬式作業台を用いて行われた実験についてお話を伺います。
まず初めに、この実験の目的について教えてください。

この実験では、壁面作業を対象にして、「SG ペガ 500L」とその改良版である
「SG ペガ直角 500L」を使用した場合について、各作業台が作業者のウエルビーイングにどのような影響を与えるかを調査しました。

可搬式作業台の使用が作業者のウエルビーイングに与える影響を調べるというのは、なかなか興味深いアプローチですね。
実験では、どのような方法でデータを取られたのですか?

はい、各可搬式作業台を使って壁面作業を行なっている様子を撮影し、その動画を実験協力者である建設会社の社員(現場監督、管理者)や、作業員の方に視聴してもらいました。
まずは、汎用的な作業台(SG ペガ 500L)を使用した時の動画を視聴した後に
アンケートを行い、その次に壁面作業に特化した製品(SG ペガ直角 500L)を使用した時の動画を視聴した後のアンケートを行いました。
そしてこれらの2つのアンケート結果を比較して、実験協力者のウエルビーイングに
変化があるかについて確認を行いました。

なるほど、アンケート結果を比較してウエルビーイングの変化を測定
されたのですね。

比較結果により、壁面作業を行う際は、汎用的な作業台(SG ペガ 500L)よりも、その作業に特化した作業台(SG ペガ直角 500L)を使用した方が、より安全・安心感が
得られる傾向があることがわかりました。

最後に、今後の展望について教えていただけますか?

ウエルビーイングが安全・安心感や、やりがい・生きがい・働きがい等の指標になりうるか、また、メーカーから提供される残留リスク情報に基づくリスク低減方策を受け入れて製品を使い続けるかどうかについて、まだはっきりした結論が出ていないので、
今後は実験の参加人数を増やし、実験の統制のとれた環境で引き続き検証を行っていきたいと考えています。

ありがとうございました。
今後の研究の進展を楽しみにしています。
この研究が進むことで、作業現場での安全性向上に向けた新しい知見が得られることが期待されます。
今後の発展に注目です。
※本文冒頭の写真は、脚立を用いた作業の例です
製品参考
ジー・オー・ピー株式会社
・SG ペガ500 SG ペガ500製品ページ
・SG ペガ直角500 SG ペガ直角500製品ページ

清水 尚憲(しみず しょうけん)氏
ジー・オー・ピー株式会社 安全・安心技術研究センター(SATEC) 所長
長岡技術科学大学大学院 技術経営研究科システム安全専攻 修了
博士(工学)、労働安全コンサルタント(機械)
専門はシステム安全、労働安全
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